ベクター・ミュージアム開設のわけ 情熱に燃えた若きエンジニアが一念発起・起業してささやかではあるが、妻と二人三脚で会社を盛り上げてきた。 その時エンジニア42歳、妻38歳、当時まさにバブルが頂上を極め、下り坂に差し掛かっていた頃である。 東芝をはじめとする一流・二流・零細企業における経験と、積極的な新技術研鑚を柱に大手企業の計測・制御関係 の設備開発を担うまで、それほどの時を要せず可能となった。幸運とユーザー様に恵まれた順風満帆の船出である。 以来、数十年〜 若きエンジニアも歳を重ね古希を迎えた。更に数年前には妻を亡くし、彼自身の終活を始めることになった。 そこで30年弱におよぶエンジニア生活等々を振り返り、関係各位への感謝をこめて、彼の足跡を記すものである。 バブルが崩壊し、政治状況が怪しくなっても・・・・名もなきエンジニアは確かにここにいたと・・・・

起業当時のエレクトロニクス業界では、ボードコンピュータが装置に組み込まれて制御機能を掌り、EPromに書き込まれた専用の制御プログラムによってシステムが運用されていた。 当時のパソコンはというと、C/PM-->C/PM86-->MSDosとOSが発展を遂げつつあったが、プログラム保存媒体はフロッピーデイスクが主流である。PC9800（NEC)を主制御装置として各種計測・制御装置を開発した1980年代後半では、PC9800シリーズが￥1,000,000を超えたことを鮮明に記憶している。 やがてバブルは崩壊し、暗黒の２０年といわれる長い不況の時代に突入していく。 これまでの大量生産・大量消費から個性ある商品の開発が急務となる。したがって大企業でも設備投資が切り詰められ、転職を余儀なくされる業者仲間も現れ始めた。 幸いにも当社では、自動車関連部品のトップメーカー系列のユーザーに恵まれ、その性能試験装置の開発・保守関連の仕事に助けられた。以来こちらのお客様とは１０年以上にわたるお付き合いをさせていただきました。 更にＬＣＤパネルの駆動方式試作装置・プリントボード試験装置・火災報知器試験装置の開発に加え、バッテイングセンターでのピッチング内容解析装置・バッテイングフォーム確認装置等々振り返れば本当に幸せなエンジニア人生を送ることができた。

長い不況のトンネルから必死で脱出しようともがいていた時代。少しでも世の中を明るくしようと、政府は『生涯学習』『生涯スポーツ』の奨励を行う。文部省（当時）の肝いりもあって、グラウンド・ゴルフなるスポーツが誕生するや、瞬く間に 全国に広まり、自治会・老人会等々地域のコミュニテイーで盛んに行われだした。 更にこのスポーツの特徴は場所を選ばず・人を選ばず、近くの公園で初心者がその日のうちに仲間になれる。 適度な運動により、高齢者の健康維持に最適だと行政担当者からも大いに喜ばれる。国民健康保険の医療費負担が、右肩下がりを続け高齢者スポーツとして完全に定着した。以来２０数年、全国的な組織が創られ、現在その会員数は１０数万人を誇っている。 活発な活動が始まると、各地域・各団体でグラウンド・ゴルフ大会が行われるようになってきた。数１００名を超える参加者が一斉に集う大会で、短時間でのスコア集計・成績判定が困難になってきた。 そこで、パソコンによるスコア集計・成績判定アプリを開発、ネット通販による全国販売を実施することになる。全国に先駆けて、グラウンド・ゴルフ専用のスコア集計アプリ『スコアマネージャー』の誕生である。

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